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上半身肥満と下半身肥満
以前の記事で、肥満を形態上の立場から、上半身(りんご型)肥満と下半身(洋梨型)肥満とに分類しましたが、前者を男性型肥満、後者を女性型肥満ということもできます。
本来、脂肪は、男性の場合は腹部に、女性の場合は腎部や大腿部につきやすいので、こうした性差が現われてきます。
男性に多い上半身肥満は、肥満度が同じでも動脈硬化性心疾患や糖尿病、高脂血症などの罹患率が高いことがわかっています。
アメリカの研究によると、糖尿病になる危険率は、肥満単独では正常体重者の3.17倍ですが、上半身に脂肪が蓄積すると10.34倍にもなることが明らかになっています。
こうしたことからもわかるように、上半身肥満と生活習慣病(成人病)との間には密接な関係があります。
そのためアメリカの科学アカデミーは、ウエストとヒップの比(WHR)が男性の場合は0.95、女性の場合は0.8を超えると肥満による合併症が急増すると警告しています。
ただ、上半身の脂肪分布は、民族や遺伝素因によって大きく異なることが明らかになり、特に日本人では太ると躯幹から腎部にかけてなだらかに皮下脂肪が沈着するので、ウエストとヒップの比と疾患や代謝異常との関係がはっきりしません。
そのため上半身肥満と下半身肥満という分類法はこれまであまり普及しませんでした。
ただ、上半身肥満、下半身肥満という考え方は、肥満を考えるうえで、単に肥満度や皮脂厚だけでなく、脂肪の分布あるいは蓄積状況も考慮することの重要性を私たちに教えてくれました。
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